水の備蓄は一人当たりで子どもにどれくらい必要か?家族別の量と置き場所まで整理!

水の備蓄を一人当たりで考えるとき、子どもは大人より飲む量が少ないから少なめでよいのか、乳児や幼児は別に計算したほうがよいのかで迷いやすくなります。

災害時の水は、のどが渇いたときに飲む分だけではなく、食事を作る分、薬を飲む分、ミルクや離乳食に使う分、口をすすぐ分まで関係するため、普段の飲水量だけで決めると不足しやすくなります。

特に子どもがいる家庭では、避難や停電で生活リズムが乱れたときに、子どもが飲み慣れた水や食べ慣れた食品を用意できるかどうかが、体調面だけでなく親の安心にもつながります。

ここでは、公的機関が示す一人一日3リットルという基本目安をもとに、子どもの人数をどう数えるか、乳児の調乳分をどう足すか、三日分と一週間分をどう計算するか、家庭で無理なく備える方法まで具体的に整理します。

目次

水の備蓄は一人当たりで子どもにどれくらい必要か

結論から言うと、家庭で水の備蓄を計算するときは、子どもも原則として一人分として数え、一人一日3リットルを基準にして用意するのが安全側の考え方です。

農林水産省は飲料用と調理用だけで一人当たり一日3リットル、最低三日分として9リットルの備蓄が必要と案内しており、政府広報オンラインも水は一人一日3リットル、食品は最低三日から一週間分を備えることが望ましいとしています。

子どもの体格や年齢によって実際に飲む量は変わりますが、災害時は食事が乾いた食品に偏ったり、汗をかいたり、調理や衛生にも水を使ったりするため、子どもだから半量でよいと単純に減らさないことが大切です。

基本量は大人と同じ

子どもの水の備蓄は、まず大人と同じ一人一日3リットルで計算するのがわかりやすく、家族全体の不足を防ぎやすい方法です。

実際には小さな子どもが一日に3リットルを飲み切るわけではありませんが、この数字には飲む水だけでなく、食事を戻す水、スープや味噌汁に使う水、薬を飲む水なども含めて考える必要があります。

また、災害時は普段よりも食事の選択肢が少なくなり、レトルト食品、アルファ化米、乾パン、缶詰などを組み合わせる場面が増えるため、飲み込みやすくするための水も必要になります。

子ども分を少なく見積もると、最初の一日目は足りているように見えても、二日目以降に調理や衛生で使える水がなくなり、親が自分の分を削って調整する状況になりがちです。

備蓄の計算では子どもを小さな存在として扱うのではなく、家族の一員として一人分を確保し、余った分は予備や生活用に回せると考えるほうが現実的です。

三日分は最低ライン

水の備蓄で最初に目指すべき量は、家族全員の三日分です。

一人一日3リットルで計算すると、一人三日分は9リットルになり、2リットルペットボトルなら約5本が一人分の最低目安になります。

人数三日分の目安2リットル本数
子ども1人9リットル約5本
親1人子1人18リットル約9本
親2人子1人27リットル約14本
親2人子2人36リットル18本

表を見ると量が多く感じますが、三日分はあくまで最低ラインなので、地震や台風の被害が広い地域に及んだ場合は、さらに数日分を上乗せして考える必要があります。

いきなり全量を買うと置き場所に困るため、まずは三日分を家族の基本在庫として作り、その後に一週間分へ近づける流れにすると続けやすくなります。

子どもがいる家庭では、子ども用の飲みやすい小容量ボトルも少し混ぜておくと、避難時や夜間の水分補給に使いやすくなります。

一週間分は安心の上乗せ

三日分を用意できた家庭は、次に一週間分を目標にすると断水や物流停止が長引いた場合にも余裕を持ちやすくなります。

内閣府防災情報のページでも、一日一人3リットルを目安に三日分を用意することに加え、南海トラフ地震のように広い地域に被害が及ぶ可能性がある場合は一週間以上の備蓄が望ましいという指摘が紹介されています。

一週間分は一人21リットルなので、子どもを含む4人家族なら84リットルとなり、2リットルペットボトルで42本分というかなり大きな量になります。

この量をすべてキッチンに置こうとすると生活空間を圧迫するため、玄関収納、押し入れ、寝室、車の中、二階の収納などに分散して置くことが重要です。

一週間分を備える意味は、ぜいたくに水を使うためではなく、給水車にすぐ並べないときや、子どもの体調不良で外出しにくいときに、家庭内でしのげる時間を伸ばすことです。

子ども分を減らさない

子どもは大人より体が小さいため、水の備蓄量も少なくてよいと考えたくなりますが、非常時の家庭備蓄では減らさないほうが安全です。

子どもは自分で水分不足を正確に伝えられないことがあり、遊びや不安で飲むタイミングを逃したり、避難所の環境が苦手で水分を取りたがらなかったりすることがあります。

  • 子どもも一人分で数える
  • 三日分は最低ラインにする
  • 体調不良時の予備を持つ
  • 飲み慣れた水を混ぜる
  • 小容量ボトルも用意する

大人が管理しやすい大容量ボトルだけでなく、子どもが持ちやすい500ミリリットル前後のボトルを一部入れておくと、避難バッグや通園バッグにも分けやすくなります。

子ども分を減らして収納を楽にするより、収納場所を分散してでも一人分を確保するほうが、断水時の判断に余裕が生まれます。

乳児は調乳分を別枠にする

乳児がいる家庭では、一人一日3リットルの基本量に加えて、粉ミルクの調乳に使う水を別枠で見ておく必要があります。

完全母乳で育てている場合でも、災害時の疲労や環境変化で授乳の状況が変わる可能性があるため、家庭の方針に合わせて液体ミルクや粉ミルク、哺乳に使う道具を少し備えておくと安心です。

粉ミルクを使う場合は、製品に書かれた分量どおりに作ることが大切で、濃くしたり薄めたりして水を節約するのは避けるべきです。

厚生労働省が公開している哺乳ビンを用いた粉ミルクの調乳方法では、飲用水を沸かし、湯を70℃以上に保って調乳することや、調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは捨てることが示されています。

災害時はお湯、清潔な哺乳瓶、冷却用の水、手洗い環境の確保が難しくなるため、調乳用の水は通常の飲料水とは別に余裕を持たせて計算するのが現実的です。

飲む量だけで決めない

水の備蓄量を考えるとき、子どもが普段コップで飲む水の量だけを見てしまうと、実際に必要な量をかなり少なく見積もってしまいます。

災害時は、アルファ化米を戻す水、スープを作る水、歯磨き後に口をすすぐ水、薬を飲む水、手を拭くために湿らせる水など、飲む以外の場面でも少しずつ水が減っていきます。

子どもは普段と違う食事に抵抗を示すことがあり、乾いた非常食を食べにくがる場合には、やわらかくしたり、味を薄めたりするための水も必要になります。

さらに、発熱や下痢などで体調を崩した場合は、少量ずつこまめに水分を取る必要が出ることもあるため、平常時の飲水量を基準にギリギリで用意するのは危険です。

家庭備蓄では、実際に毎日飲み切る量ではなく、非常時に選択肢を残すための量として一人一日3リットルを見ておくと考えやすくなります。

生活用水は別に考える

一人一日3リットルの目安は、主に飲料用と調理用の水として考えるものであり、トイレ、洗濯、体を拭く水まで十分に含む量ではありません。

子どもがいる家庭では、おむつ替え後の手洗い、食べこぼしの処理、嘔吐や下痢の対応、汗をかいた体を拭く場面など、生活用水が必要になる場面が多くあります。

  • 飲料水は清潔に保つ
  • 調理用は飲料水と兼用する
  • 手拭きはウェットシートも使う
  • トイレ用は風呂水も検討する
  • 掃除用は飲料水と分ける

飲める水をトイレや掃除に使い始めるとすぐに不足するため、飲料水と生活用水は置き場所や容器を分けて管理するのが基本です。

浴槽の残り湯を生活用水として活用する家庭もありますが、小さな子どもがいる場合は転落防止や衛生面に注意し、ふたや浴室の施錠も含めて安全に管理する必要があります。

水の備蓄はペットボトルを並べるだけでなく、何に使う水なのかを家族で共有しておくことで、非常時の使い過ぎを防ぎやすくなります。

子どもの年齢別に考える水の備蓄量

子どもといっても、乳児、幼児、小学生では必要な配慮が大きく変わります。

年齢によって水を飲む量だけでなく、ミルクの有無、食事の形態、こぼしやすさ、体調変化への対応、避難先で自分で持てる荷物の量も違うため、同じ一人分でも中身を調整することが大切です。

ここでは年齢別に、基本量は変えずに何を上乗せするか、どの容器を選ぶと使いやすいか、親が見落としやすいポイントを整理します。

乳児

乳児は自分で水を飲む量が少なくても、授乳や調乳、哺乳瓶の衛生管理、親の水分補給まで含めると、家庭全体で余裕を持った水が必要になります。

特に粉ミルクを使う家庭では、ミルクを作るための水と熱源が必要になり、停電やガス停止が重なると調乳の難易度が一気に上がります。

状況水の考え方備えたい物
完全母乳親の飲料水を重視授乳ケープ
混合栄養調乳分を上乗せ粉ミルク
完全ミルク多めに別枠管理液体ミルク
避難移動あり小容量を携帯使い捨てカップ

東京都福祉局は、水などが不自由な災害時には乳児用液体ミルクが有用だと案内しており、平常時から正しい知識を持つことの大切さも示しています。

液体ミルクは調乳用の水を使わずに済む利点がありますが、開封後の扱いや賞味期限、子どもが飲み慣れているかを事前に確認しておく必要があります。

乳児の水の備蓄は、赤ちゃんの分だけを考えるのではなく、授乳する親が水分を取れること、調乳環境を清潔に保てること、避難中でも無理なく与えられることまで含めて組み立てましょう。

幼児

幼児は自分で飲めるようになる一方で、慣れない水や容器を嫌がったり、こぼしたり、遊びに夢中で飲み忘れたりしやすい時期です。

備蓄量は一人一日3リットルで数えつつ、実際に使う場面では子どもが飲みやすいボトル、ストロー付きの容器、常温でも飲める水を用意しておくと安心です。

  • 飲み慣れた軟水を用意する
  • 小さいボトルを数本入れる
  • ストローや紙コップを備える
  • こぼれた時の予備を持つ
  • 好きな非常食と一緒に置く

幼児は非常時の不安で食欲が落ちることもあるため、水だけでなく、ゼリー飲料やレトルトおかゆなど、食べ慣れていて水分も取りやすい食品を組み合わせると助けになります。

ただし、甘い飲み物だけに偏ると口の中がべたついたり、余計に水を欲しがったりすることがあるため、基本の備蓄は水にして、補助として飲み慣れた食品を加える考え方が合っています。

幼児期の備えでは、量を確保するだけでなく、子どもが怖がらずに飲める形にしておくことが大切です。

小学生

小学生は自分で水を飲む、荷物を持つ、非常食を選ぶといった行動が少しずつできるため、家庭備蓄に子ども自身を参加させると実際の災害時に役立ちます。

一人一日3リットルの基準は変えずに、家庭用の大容量ボトルと、避難バッグに入れる500ミリリットル前後のボトルを分けて準備すると使い勝手がよくなります。

小学生は学校、習い事、放課後の外出中に災害に遭う可能性もあるため、家庭の備蓄だけでなく、家族の集合場所や連絡方法、水をどこに置いているかを共有しておくことも重要です。

防災を怖い話として教えるより、賞味期限を確認する係、ペットボトルを入れ替える係、非常食を試食する係のように役割を持たせると、子どもが自分ごととして理解しやすくなります。

小学生の備蓄では、量の確保に加えて、子どもが自分で水を取り出せる高さや、暗い場所でもわかるラベル表示を工夫すると、親が不在の時間帯にも対応しやすくなります。

ミルクや離乳食に必要な水の備え

子どもがいる家庭の水の備蓄で最も注意したいのは、乳児のミルクや離乳食に使う水を一般の飲料水と同じ感覚で扱わないことです。

調乳には清潔な水、正しい温度、清潔な器具が必要で、離乳食には月齢に合ったやわらかさや味の薄さも必要になるため、災害時には水だけでなく食事全体の備えが問われます。

ここでは、粉ミルク、液体ミルク、離乳食の三つに分けて、水の備蓄量にどう反映させるかを解説します。

粉ミルク

粉ミルクを使う家庭では、飲料水の一人分とは別に、普段の授乳回数と一回量から調乳用の水を計算しておくと不足を防ぎやすくなります。

ミルクを薄めて量を増やしたり、濃くして回数を減らしたりすることは避け、必ず缶や箱に記載された分量に従うことが大切です。

確認項目見る場所備蓄への反映
一回量ミルクの表示一日量を計算
授乳回数普段の記録三日分を算出
水の種類水のラベル軟水を選ぶ
調乳方法製品説明熱源も用意

厚生労働省の資料では、粉ミルクの調乳に使う湯は70℃以上に保つこと、粉ミルクの容器に書かれた必要な水量と粉の量を確かめること、調乳後2時間以内に使用しなかったミルクは捨てることが示されています。

市販の水を調乳に使う場合は、硬度が低い軟水を選ぶのが一般的で、海外産の硬水やミネラル分の多い水は赤ちゃん向けに適しているか確認が必要です。

粉ミルクの備えは、水の本数だけで完了ではなく、カセットコンロ、ガスボンベ、消毒用品、使い捨て手袋、紙コップやスプーンなど、清潔に与えるための周辺品も一緒に見直しましょう。

液体ミルク

液体ミルクは調乳用の水を使わずに授乳できるため、断水や停電が起きたときの選択肢として役立ちます。

日本小児科学会は、液体ミルクは常温で保存でき、調乳環境が整っていない状況でも乳児にそのまま飲ませることができる一方で、高温下に置かないこと、期限や破損を確認すること、開封後はすぐ使用し飲み残しは使用しないことなどを示しています。

  • 賞味期限を確認する
  • 高温になる場所を避ける
  • 開封後は飲み残しを使わない
  • 飲み慣れる機会を作る
  • 乳首やアタッチメントも備える

液体ミルクを用意していても、赤ちゃんが味や温度に慣れていないと非常時に飲まないことがあるため、平常時に少量試しておくことが大切です。

また、液体ミルクは水の消費を抑えられますが、すべてを液体ミルクだけに頼ると本数や費用が増えるため、粉ミルクと併用する家庭では役割を分けて備えると無理がありません。

災害時の乳児の栄養は家庭だけで抱え込まず、避難所や自治体、医療者、栄養士などに相談できる状況を想定して、母子手帳やアレルギー情報も一緒に持ち出せるようにしておきましょう。

離乳食

離乳食期の子どもは、大人と同じ非常食をそのまま食べられないことが多いため、水の備蓄と食品の備蓄をセットで考える必要があります。

レトルトの離乳食や瓶詰めを備えておけば水をほとんど使わずに食事を用意できますが、月齢に合わない硬さや味付けでは食べにくく、せっかく用意しても使えない場合があります。

自治体の子ども向け食品備蓄の案内でも、災害時にはミルクや離乳食など子どものための食品が手に入りにくくなることが想定されるため、平時から備えておくことがすすめられています。

水が限られる状況では、アルファ化米や乾麺を子ども向けにやわらかくするにも水が必要になるため、離乳食期は大人の食事を取り分ける計画だけでは足りないことがあります。

離乳食の備えでは、普段食べているメーカーや形状を少し多めに買い、賞味期限の近いものから使って買い足すことで、子どもが食べ慣れたものを災害時にも出しやすくなります。

家族人数で計算する備蓄水の早見表

水の備蓄は必要量を頭で理解していても、家族の人数に当てはめると急にわかりにくくなります。

特に子どもが複数いる家庭では、乳児の調乳分、幼児のこぼしやすさ、小学生の携帯用ボトルなどを上乗せするため、まずは基本量を早見表で確認し、その後に家庭ごとの事情を足すと整理しやすくなります。

ここでは、計算式、家族別の目安、足りなくなるケースを順に確認します。

計算式

水の備蓄量は、家族人数、日数、一人一日3リットルを掛け合わせるだけで計算できます。

子どもを含めた人数で計算し、乳児の調乳分や特別な事情がある場合は、最後に別枠として上乗せするのがわかりやすい方法です。

  • 人数を数える
  • 日数を決める
  • 3リットルを掛ける
  • 調乳分を足す
  • 生活用水を別にする

例えば親2人と子ども1人の家庭で三日分なら、3人に3日と3リットルを掛けて27リットルになります。

同じ家庭で一週間分を目標にするなら、3人に7日と3リットルを掛けて63リットルになり、2リットルボトルなら32本程度が目安になります。

計算した量を見て多すぎると感じた場合でも、まずは三日分を優先し、毎月数本ずつ増やして一週間分に近づけると負担を分散できます。

家族別早見表

家族人数ごとの必要量を一度見える形にしておくと、買い足す本数や置き場所の計画を立てやすくなります。

ここでは一人一日3リットルで、三日分と七日分を計算した目安をまとめます。

家族構成三日分七日分
大人1人子ども1人18リットル42リットル
大人2人子ども1人27リットル63リットル
大人2人子ども2人36リットル84リットル
大人2人子ども3人45リットル105リットル

七日分はかなり大きな量になりますが、全量を同じ場所に置く必要はありません。

飲料水は清潔で取り出しやすい場所に置き、非常持ち出し用の小容量ボトル、寝室用、車内用、二階用のように分散すれば、収納の圧迫感を減らしながら備えられます。

ただし、車内は高温になりやすいため、長期保存用の中心在庫にするのではなく、避難時の一時用として期限や状態をこまめに確認する使い方が向いています。

足りなくなるケース

計算上は三日分を用意していても、実際の災害では想定より早く水が減ることがあります。

子どもがいる家庭では、食事をこぼして拭く、薬を飲む、発熱時に水分補給を増やす、トイレや手洗いで使う、ミルクや離乳食で使うといった細かな消費が積み重なります。

また、親が給水所へ行けない、エレベーターが止まって重い水を運べない、雨や余震で外出を避けたいといった状況では、手元の水だけで過ごす時間が長くなります。

親族や近所の子どもを一時的に預かる可能性がある家庭、在宅勤務で日中も家族全員が家にいる家庭、ペットがいる家庭も、基本量に少し上乗せしておくと安心です。

備蓄量は正解を一度決めて終わりではなく、子どもの成長、家族人数、住まいの階数、近くの給水拠点までの距離に合わせて見直すものです。

水を置く場所とローリングストック

十分な水を備えようとすると、次に問題になるのが置き場所と管理方法です。

子どもがいる家庭では、いたずら、転倒、誤開封、通路のふさがり、重い箱を持ち上げる危険も考える必要があるため、量を確保しながら安全に収納する工夫が欠かせません。

ここでは、置き場所、容器サイズ、賞味期限管理の三つに分けて、続けやすい備蓄の作り方を解説します。

置き場所

水は重く、場所を取り、使うときにはすぐ取り出したい備蓄品です。

全量をキッチンに置くと邪魔になりやすく、全量を押し入れの奥に入れると非常時に取り出せないため、生活動線と災害時の取り出しやすさを両立させる必要があります。

  • キッチンに日常用を置く
  • 玄関近くに持ち出し用を置く
  • 寝室に夜間用を置く
  • 二階に分散して置く
  • 子どもの手が届きすぎない場所に置く

地震で棚が倒れたり扉が開かなかったりする可能性もあるため、ペットボトルの箱は高い棚に積み上げず、床に近い安定した場所へ置くのが基本です。

子どもがよく通る廊下や階段付近に箱を積むと、避難動線をふさいだり、つまずいたりする原因になるため、通路の確保を優先しましょう。

水の置き場所は親だけが知っている状態にせず、小学生以上の子どもには、飲んでよい水と非常用に残す水の違いも含めて伝えておくと安心です。

容器サイズ

備蓄水は2リットルボトルだけでそろえると効率的ですが、子どもがいる家庭では小容量ボトルも混ぜたほうが使いやすくなります。

大きなボトルは保管効率がよく、家で調理に使いやすい一方で、避難時に持ち出しにくく、子どもが自分で注ぐには重すぎることがあります。

容器向く用途注意点
2リットル家庭保管持ち運びに重い
500ミリリットル避難バッグ本数が増える
長期保存水管理を楽にする価格が高め
給水袋給水所で使う普段から試す

小さな子どもがいる家庭では、夜間の水分補給、車での避難、保育園や学校から帰宅できない場面を考えて、500ミリリットル前後のボトルを非常持ち出し袋に入れておくと便利です。

一方で、すべてを小容量ボトルにすると保管場所が増え、単価も高くなりやすいため、家置きは2リットル、持ち出しは小容量という組み合わせが現実的です。

給水袋は買ったまま使ったことがないと、満水時の重さや注ぎにくさに驚くことがあるため、平常時に水を入れて持ち運びを試しておきましょう。

賞味期限管理

水の備蓄は買った瞬間より、期限切れにせず使い回せる仕組みを作ることのほうが難しい場合があります。

ローリングストックは、普段から少し多めに買い、古いものから使い、使った分を買い足す方法なので、子育て家庭でも無理なく続けやすい管理方法です。

ただし、日常で使う水と非常用の水を完全に混ぜると、気づいたときに在庫が減っていることがあるため、最低三日分だけは非常用の枠として残すルールを作ると安心です。

箱の側面に大きく期限を書いたり、スマートフォンのカレンダーに半年ごとの確認日を入れたり、子どもと一緒に期限を読む習慣を作ったりすると、管理の負担が軽くなります。

長期保存水を選ぶ場合でも、置き場所の温度や直射日光、箱の破損を確認し、期限が近づいたらキャンプ、調理、非常食の試食日に使って入れ替えると無駄になりません。

子どもがいる家庭で失敗しやすい注意点

水の備蓄は量をそろえれば安心と思われがちですが、子どもがいる家庭では使い方や周辺用品の不足で困ることがあります。

特に、飲み慣れていない水を嫌がる、ミルクに必要な道具がない、生活用水と飲料水を混同する、置き場所が危ないといった失敗は、事前に少し見直すだけで避けやすくなります。

ここでは、家庭で起こりやすい三つの注意点を取り上げます。

飲み慣れない水

子どもは味やにおいの違いに敏感で、災害時に初めて飲む保存水やミネラルウォーターを嫌がることがあります。

普段は水道水を飲んでいる家庭でも、備蓄用にはペットボトルの水を用意することが多いため、平常時に少し飲ませて違和感がないか確認しておくと安心です。

  • 普段から少し飲んでおく
  • 軟水を中心に選ぶ
  • 常温でも試しておく
  • 紙コップでも飲ませる
  • 期限前に家族で使う

冷たい水でなければ飲まない子もいますが、停電時は冷蔵庫が使えない可能性があるため、常温でも飲めるかを試すことには意味があります。

また、避難所ではいつものコップが使えないこともあるため、紙コップ、ストロー、使い捨てスプーンなどで飲む練習を遊びの延長でしておくと、非常時の抵抗感を減らせます。

飲み慣れた水を備えることは、単なる好みの問題ではなく、子どもが必要なときに水分を取れる状態を作るための備えです。

周辺用品の不足

水だけをたくさん置いていても、実際に使うための道具が不足していると、災害時には困りごとが増えます。

乳児や幼児がいる家庭では、哺乳瓶、紙コップ、ストロー、ウェットシート、使い捨て手袋、消毒用品、カセットコンロ、ガスボンベなどがそろって初めて水を安全に使いやすくなります。

場面水以外に必要な物理由
調乳熱源と哺乳用品清潔に作るため
離乳食スプーンと皿食べやすくするため
手拭きウェットシート水を節約するため
給水給水袋運ぶため

子ども用の道具は、普段使っているものと同じ形のほうが受け入れられやすいため、防災専用品だけでそろえるより、日用品を多めに持つ考え方が合っています。

紙コップや使い捨てスプーンは軽く、場所も取りにくく、哺乳瓶が洗えない状況や家族で水を分ける場面にも役立ちます。

備蓄を点検するときは、水の本数だけでなく、その水を飲む、作る、運ぶ、分ける、捨てるための道具がそろっているかまで確認しましょう。

安全面の見落とし

水の備蓄は重いため、置き方を誤ると災害時だけでなく普段の生活でも危険になることがあります。

ペットボトルの箱を高く積むと地震で崩れる可能性があり、子どもがよじ登ったり、箱を引っ張ったりする危険もあります。

また、玄関や廊下に水を置きすぎると、避難時に通路をふさいだり、夜間に足を引っかけたりする原因になります。

水は重いものほど下に置き、棚に入れる場合も扉の開閉や耐荷重を確認し、子どもの寝る場所や遊ぶ場所の近くに高く積まないようにしましょう。

安全な備蓄は、量を増やすことと同じくらい、倒れない、邪魔にならない、子どもが危険な使い方をしない置き方を考えることが大切です。

子どもがいる家庭の水の備蓄で大切なこと

子どもがいる家庭の水の備蓄は、子どもの体格に合わせて少なくするのではなく、子どもも一人として数え、一人一日3リットルを基準に三日分から確保することが出発点です。

三日分を用意できたら、地震や台風で断水や物流停止が長引く可能性に備えて、一週間分を目標に少しずつ増やし、乳児がいる場合は調乳用の水や液体ミルクを別枠で考えると安心です。

水の量だけでなく、粉ミルクの作り方、液体ミルクの扱い、離乳食の備え、小容量ボトル、紙コップ、給水袋、ウェットシートなどを組み合わせることで、実際に使える備蓄になります。

家庭ごとの正解は子どもの年齢、人数、住まい、収納場所、普段の食事によって変わるため、まずは家族人数に三日分を掛けた最低量をそろえ、賞味期限を見ながらローリングストックで無理なく増やしていきましょう。

水は災害時に買い足せない可能性が高いものだからこそ、今日から一本ずつ増やすだけでも備えは前に進み、子どもを守るための安心につながります。

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